Mode(旋法)

目次

広義のModeとは旋法を意味し、音階を形成する一定の音組織の総称です。


それらを大きく分類すると、それぞれの民族の保有する旋法、例えば日本の音階、ジプシーやスパニッシュの音階、中近
東の音階、中世ヨーロッパに発するグレゴリア(教会)旋法等と、人口的に創作された特殊な旋法(その代表的な例としてはメシアンの七種の旋法等)の二種類に分類出来ます。

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教会旋法(グレゴリア旋法)

中世ヨーロッパに発生した幾つかの音階が、当時のローマ法王グレゴリオ一世によって7種の旋法に
整理されたものを「教会旋法」と呼びます。

以後、時代の推移と共に調性音楽の発達・隆盛を迎え、それ らのうちでイオニア(Ionian)とエオリア(Aeolian)がそれぞれ長音階(Major)と短音階(minor) として主流となり、それ以外の旋法は一時衰退しました。

その理由として、調性音楽に不可欠なTritone の解決、すなわちDominantがTonicに進行する事がもたらす安定感と、その時代が求めた調和や安定への美意識と合致していたと考えられています。

さらに近年、ある種の不安定感を求める風潮、新しい時代の感覚(モダニズム)から、再び教会旋法 が注目される事になり、JazzやRock音楽等に於いても、Mode音楽の重要な手法のひとつとして用 いられる様になりました。


中世ヨーロッパ教会旋法(7種の旋法の混在)


近世調性音楽(長音階、短音階=DominantMotionによる安定美の追求)


現代Mode手法(旋法)の復活(不安定感を求めるモダニズム=DominantMotionの回避)


現在一般にModeと呼ばれているものは、この教会旋法の事を意味します。

この教会旋法につい て考察し、次に近年発展したModeの手法についても学んでいきます。