「音列的音楽」と訳されることもあるが、いくぶんニュアンスが異なる。

十二音技法はあらかじめ設定された十二音の音の順列(セリー、音列)を

基礎にして音楽を構成するが、この考え方は第二次大戦後、

メシアンのリズム上の操作と合体し、

音高のみならず音や休止の長さ(=「持続の半音階」)、

音の強さ、音の密度、ひいては音色や音の方角までも、

全てをあらかじめ設立された順列に基づいて構成しようとし、

ついにはこれら諸次元(パラメーター)間の展開可能性を探求するに至った。

これを「ミュジーク・セリエル」あるいは「ポスト・ウェーベルン派」と呼び、

1950年代の主要な音楽思潮であった。