読譜講座の第一回第二回とでは、
何故ピアノがタブ譜を読むのと、ギタリストが五線譜を読むのは同じことか?

という考察から始め、
その難しさは作業工程の多さにあることをお伝えしてきました。


随分とややこしく解説してきましたが、
ちょっと違う角度から考えてみることは、
音楽にとっても有意義だと思います。


この講座をここまで読み進めた方なら、
おそらくは、読譜に悩み、本気で身に付けたい一心の方でしょうから。


そして、今回はようやくギターで五線譜を読むに入っていきたいと思います。

では早速いってみましょう


この講座でおなじみの前回の文章のおさらいからいってみます。


中々ややこしいですからね。

タブ譜を見ながらピアノを弾くには二つの行程を経たが、
五線譜を見ながらピアノを弾くのには一つの行程でよい。

同様に

五線譜を見ながらギターを弾くには二つの行程を経たが、
タブ譜を見ながらギターを弾くのには一つの行程でよい。

つまりは、

▪️五線譜を見ながらギターを弾く為に必要な二つの作業。

1、五線譜の数字をドレミ(音名)に変換する。
2、ドレミを指板の位置に変換する。

▪️五線譜を見ながらギターを弾く為に必要な一つの作業。

1、五線譜の音符を指板の位置に変換する。

と出来れば良いわけですね。


結論から言いますと、
出来ます。


で、どうやるか?


音符をドレミを介さずに指板の位置と直結させればいいのです。

方法を説明します。


ここからが本題ですので集中して聞いてくださいね。


音符をドレミを介さずに指板の位置と直結させる

目次

まずこの”音符をドレミを介さずに指板の位置と直結させる”という文章です。


第一回の講座から真面目に読みすすまれたあなたなら、
なんとなくピンとくるのではないでしょうか?


ピアノが五線譜を読むことを考察したときの文章に出てきましたね。


忘れた方や、この回から読まれた方は、
ぜひ第一回に戻ってもう一度順を追って読んでみて下さい。


→ 読譜講座 第1回
何故こんな当たり前のような文章をここまで引っ張ったか。


それはこの文章をいきなり提示されてピンとくる方は、
すでに読譜が出来るようになっているでしょうから。


つまりそうでない方は、ピアノからの視点を持つことで、
 音符をドレミを介さずに指板の位置と直結させればいい。 


がギターからの視点よりも理解がし易いと思われるからです。


ともあれ、
またややこしい解説ばかりでは嫌になってしまうと思いますので、
今回はいきなりノウハウからいきます。

1・ギター上でスケールを幾つかのポジションに分割する。
2・ポジション分割することで、音符1つに対して、ポジションが1つになる。
3・音符ひとつひとつではなくインターバルを追いながら読譜をする。

同時にギターを持たないときに

1・音符を見ながらドレミで読んでみる。
2・音名でも階名でも音程は気にせず読んでみる。
3・色んなキーで小説でも読むように読んでみる。

これが全てですね。


あとはこの作業を続けることで、
別々の二つの作業が有機的に繋がってきます。

何故2つの作業が必要なのか?また、同時ではいけないのか?

まず、何故同時ではいけないのか?


これを同時にすることが第一回、第二回とお伝えしてきたように
ギターで読譜をすることの難しさだからです。


そしてまた、私自身はギターで読譜をする際に、一個一個の音符を読んではいないからです。


例えばお手持ちの楽譜で一番簡単なものをご用意ください。


ちょっと待ってください。。


いまあなたはそのままこれを読み進めようとしましたよね?


では、いま側にあるメモ帳でもなんでもいいので、
五本線をひいて、左側にト音記号を書いてください。


メモを用意できない方は頭の中でいいので描いてください。


キーはCでいきます。


Cメジャースケールを一オクターブ上降、下降を描いてみましょう。


この講座をここまで読み進めたあなたであれば、
おそらく、この作業は出来ることでしょう。


さあ、ポジションは開放弦を含んだ最初のポジションから行ってみます。


頭の中でもギターを持ってもいいので弾いてみましょう。


一オクターブ弾いたら、下降でも弾いてみましょう。


この時点で、音符をドレミを介さずに指板の位置と直結させればいいという意味が
理解できた方は次回に進んでください。


ピンとこない方の方が多いでしょうから、
さらに解説を進めます。

一音一音を読んだとしても、しなかったとしても、
あなたはこのように弾いたでしょう。

 

C Major Pos.0

 

タブ譜もつけておきました。


これをただ何も考えずに弾いても意味はありません。


上記の楽譜を印刷して、上の音符と下のタブ譜の実際のポジションを一致させて下さい。


このときに大事なことは、頭の中に指板を描いておくということです。


音符と指板上のポジションを一致させて下さい。

音符を見ない状態でもスケールを一度づつ上降または下降していくだけです。


スケール練習などを散々されてきた方ならば、
いちいち音符を読むのも面倒くさく、最初の音と最後の音だけに注目して、
後は順に音を弾いてしまうのではないでしょうか?

でも、これが第一歩です。


それこそまさしく、五線譜を読む作業そのものなのです。

あなたは、最初の音と、最後の音だけ注意して、
あとは順に進むだけって思いましたよね?


それがまさしく五線譜を読む作業です。


その感覚は既に身についている方も多いでしょう。


まだ身についていない方は、
上記に挙げた楽譜を徹底的に弾けるようにしてください。


弾けるようになったら、タブ譜を隠して、
五線譜だけを見て弾いてください。


おそらく指グセとなって弾くことができる段階になるでしょう。


でも、それを五線譜を追うような気持ちで指を動かして行ってください。


少なくとも、上記の五線譜は読むことが出来るようになっているでしょう。

とても大事なことを話しますが、
これは、C major Scale の順次進行の楽譜は弾けるようになったってことなのですよ。


本当です。

一つのポジションだけ。

そして、2度の連続なだけ。


それは確かです。


でも、その条件においては既に読むことが出来ているという段階なのです。


難しかったですか?

大変でしたか?

おそらくそこまで大変な作業ではなかったでしょうし、
すでに「そんなことは出来る」という方も多かったのではないでしょうか?

次回はさらにこの方法を進めていきます。

→読譜講座 第4回