チョーキングのやり方

目次



チョーキングとは別名ベンドと呼ばれたりします。

ベンドからベンディングなどとも呼ばれますね。

指先で弦を引き上げることで、

一時的に弦のテンションを上げて、

音程を上げるテクニックです。

チューニングも弦のテンションを上げ下げする行為ですから、

同じような原理と思っていただいて大丈夫です。

ベンディング(チョーキング)の記号は幾つかありますが、

ここでは以下のように示します。

 

ベンド1

 

 

1個目は、full=全音 分だけ弦を引き上げるっていう意味になります。

2個目は、full=全音 分だけ弦を引き上げて、元の音程に戻すってことです。

3個目は、2個目+1個目ってことです。ダブル・ベンドと言われたりします。

4個目は、2個目と非常ににていますが、よく見るとちょっとだけ異なります。

この4個目は、弦を引き上げた状態から元に戻すってことです。

引き上げるときは音を出しません。

このベンド(チョーキング)の必要性



2つあります。

1つは、今までと同じく、

表現のために、特定のニュアンスを出すこと。

2つ目はクオータートーンを出すためになります。

1つ目はこれまでの話でわかると思いますので、

ここではクオータートーンに関して説明します。

クオータートーンとは何か

全音を1としたときに、

半音は1/2ですよね。

クオータートーンはさらに半分の1/4となります。

この半音のさらに半分の音程は

ピアノでは不可能です。

しかし、ギターという楽器は、

ベンディング・テクニックにより、

12音以外の音を出すことが可能となります。

以下に一般的に使用されるベンドの音程を載せます。

 

 

ベンド2

 

 

12音が良くわからない方は

当サイト内の理論に関する記事を読んでください。

 

さらに、このチョーキングをスライドを使って表現するとこうなります。

もちろん、クオータートーンは出ないので、

半音の範囲での表現になります。

 

 

ベンド3

 

 

で、じゃあ今度はこのクオータートーンの必要性って何?

あなたはそんな疑問を持つかもしれません。

ハッキリ言って、好きなように好きなところで

使ってもらって結構なのですが、

それでは自由すぎて、

逆に不自由になると思います。

ブルースというジャンルを上げて

理論的に解説したいと思います。

チョーキングポイント



まずブルースというジャンルの音楽的特徴として

いくつかあるのですが、

最も印象的な音使いとして、

ブルーノートという存在が挙げられます。

ブルーノートというのは

そのキーにおける

短3度

増4度(減5度)

短7度

を指します。

 

 

ベンド3

 

 

これらの音は、

ブルーノートとして、

メジャーのキーにおいても

マイナーのキーにおいても使用することができます。

使用条件は、

ブルージーにしたい時に使う

です(笑)そのままですね。

で、この3つの音をブルーノートと呼ぶのですが、

実は、ブルーノートとは、

黒人が歌ったブルースの特徴的な音程を

西洋の12音階に当てはめた近似値なので、

半音の間をとる

クオータートーンが使用されます。

(それでも近似値にはなります。というかブルースを歌う人によって違うので)

先に挙げた3つのブルーノートを基準に考えた時、

クオータートーン分、

高い音

低い音

がそれぞれに考えることができ、

結果的に3×3=9つのブルーノートが存在することになります。

9種類のブルーノート




実は日本ではあまり知られていませんが、

ブルーノートの種類は9つあります。

基本的には先に述べた3つ。

これはピアノでも出せる12音階内の音です。

でも僕らギタリストは、

半音のさらに半音の音も出せるわけです。

以下にその方法を載せます。

・DをベンドしてEbとの間の音を出す

・Ebそのもの

・Ebをベンドしてやや高いブルーノートを出す

・FをベンドしてF#/Gbとの間の音を出す

・F#/Gbそのもの

・F#/Gbをベンドしてやや高いブルーノートを出す

・AをベンドしてBbとの間の音を出す

・Bbそのもの

・Bbをベンドしてやや高いブルーノートを出す

ぜひ色々と試して、遊んでみてくださいね。


もちろん参考は、ブルースになります。

が、ちょっとマニアックなところでは
フラメンコのカンテ(歌)も参考になりますよ。

なぜかというと、以下のブルーノートとアラビックノートの関係性があるからです。

あなたならば、このブルーノートを興味深く扱い、
自分独自の表現を実現できることでしょう。

ブルーノートとアラビックノート



これは、理論的な話になってしまうので、

実技編(左手)とは異なりますが、

ブルーノートという音を

フラメンコに見られる

独特の調性からみると、

所謂、アラビックノートと言われるものになります。

ここは深く考えると

非常に面白いところなのですが、やはりマニアックになっていきますので、

ここでは割愛させて頂きますね。

ここでは、簡単に説明しますが、

解らなくても大丈夫です。

理論編の記事を読んだ後に

この記事を読んでいただければ、

理解できると思います。

ではいってみましょう。

まず、先に挙げた、

キーCとしてのブルーノートは三つ

Eb

F#/Gb

Bb



フラメンコにおける特徴的なキーとして

ポル・アリーバというものがあります。

この場合は

Eをルートとするポル・アリーバで考えます。

基本となるコード進行は

Am – G –  F –  E

です。

これをキーCからファンクション記号で見ると

Vlm – V – IV – III

となりますね。

キーCのダイアトニックコードと一緒です。

唯一、IIIm ではなくIIIが違いですね。

ここでのスケールですが、

フリジアンスケールに3度を足した

スパニッシュ8thノートスケール

というものが使われます。

構成音としては

E F G G# A B C D E

の8音スケールですが、

実際の楽曲においては、

さらにD#が使われます。

このD#=Ebですよね。

これが、アラビックノートというものになります。

つまり、ブルースにおけるブルーノートEb

は、フラメンコなど含めたアラビア圏の音楽においては

アラビックノート=D#

ということになります。

実際に試してみると判ると思います。

このD#がディズニー映画、アラジンの雰囲気を醸し出しますから。

だいぶ理論的な話になってしまい、

ついてこれなかった方もいると思います。

ふーん。程度で大丈夫ですので、

頭の片隅にでも入れておいて下さい。

逆に、このあたりの話に興味が出てくると、

音楽が一段と楽しくなってきますよ。

また、すでに興味のある方は

個人レッスンも行っていますので、

ぜひ(笑)少しは、営業しないとね。。

これで、

技術編(左手)は終了となります。

お疲れ様でした。

最後までありがとうございます。